寝屋川市の萱島桜園町において、全国初の『防災街区整備事業』※１によるまちづくりが平成１８年１０月に大阪府の施行認可を受け実施中です。
　この事業は、平成１６年度に寝屋川萱島駅東地域が都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域※２（第４次指定）の指定を受けたことから、老朽化した建築物を除却し、防災性能を備えた建築物及び公共施設の整備を行うことを目的に、大阪府、寝屋川市、大阪府住宅供給公社、センターの連携により進めてきました。
　今回は、現在までの経過と事業の内容を紹介します。

　萱島桜園町地区の概要

　萱島桜園町地区は、昭和５９年４月に住宅市街地総合整備事業（密集住宅市街地整備型）（以下「密集事業」という。）の整備計画の大臣承認を受けた、萱島東地区の「特定整備地区」内にあり、京阪萱島駅から徒歩約５分の利便性の高いところです。
　「特定整備地区」は、老朽建築物等買収除却や建替促進を積極的に活用する地区であり、事業地周辺では、寝屋川市が主要生活道路の整備を進めるとともに木造賃貸住宅の建替えを促進しています。

萱島東地区の整備実績

寝屋川市寝屋川地区

萱島東地区

　経過

　平成１６年の都市再生緊急整備地域の指定を踏まえ、府、市、府住宅供給公社、センターの４者の連携による事業推進を図るため、平成１６年６月に「寝屋川萱島駅東地域整備事業推進会議」（事務局：センター）を立ち上げ、防災街区整備事業等を活用した整備の検討を開始しました。
　具体的な検討地区については、権利者の意向調査の結果を踏まえ、萱島桜園町の1街区（８地権者、文化住宅7棟・共同住宅１棟・戸建住宅２棟）を抽出しました。
　木賃地権者と交渉を行ったところ、条件付も含めて数名の地権者が売却意向でした。その後、街区の約半分を所有する地権者が民間事業者に売却するとの情報を得たため、府住宅供給公社が用地を先行買収しました。できるだけ多くの地権者の事業参画が得られるよう交渉を進めましたが、事業の長期化が懸念され、一定の期限までに同意の得られた区域で事業化を図ることとなりました。

　事業の内容

　事業化に当たっては、売却意向である地権者の用地を府住宅供給公社が買い取り、公社が個人施行者として防災街区整備事業を実施することとしました。
　また、事業採算性を確保するため、密集事業との合併施行とし、寝屋川市が密集事業により、老朽建築物の買収除却・主要生活道路の用地買収及び整備を行いました。
　なお、まちなみ景観形成（案）を作成し、個別利用区に建築される建築物について、北側街区の共同建替えにより整備した都市型住宅と協調した建築物のデザイン誘導を図ることとしています。

　センターの役割

面的な事業を推進するためには、府・市・府住宅供給公社など関係する各セクターとの調整を迅速かつ適切に行うことが求められることから、かねてから、密集市街地の整備に携わってきたセンターが事業のコーディネート役を担うとともに、地元権利者との調整・交渉を寝屋川市と共同で行いました。また、センターはこれまで、密集事業と土地区画整理事業や市街地再開発事業との合併施行などを経験してきており、今回の防災街区整備事業の実施に当たっては、これらのノウハウの活用が期待され、下記のように事業の各段階における検討業務を受託しました。
平成１６年度
事業推進方策検討業務（各セクターの役割分担・事業スキーム・事業の進め方などの検討）
平成１７年度
事業計画案作成業務（事業採算性・防災街区地区計画などの検討、地権者調整）
平成１８年度
事業計画等作成業務・権利変換計画作成業務
　今後も密集事業を始め、防災街区整備事業、土地区画整理事業等の事業手法や、大阪府・寝屋川市・大阪府住宅供給公社・都市再生機構等の各セクター並びに地権者間のコーディネーター役として密集市街地の整備に貢献してまいりたいと考えております。

まちづくり事業部