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ちきりアイランド(阪南2区)のいま |
環境をテーマにしたまちづくりのはじまり
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平成18年12月現在
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平成17年4月に(財)大阪産業廃棄物処理公社から事業継承した阪南2区における建設発生土等受入リサイクル事業も、はや2年が経過し、埋立が完了した一部区域ではまちづくりが始まっています。
動き出したアイランドの最新状況をレポートします。
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建設発生土等の受入状況
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平成18年度1年間で49万トンの建設発生土、46万m3の浚渫土砂の受入を行いました。土砂受入に際しては海域・大気環境調査や海域の汚濁防止対策を講じるなど、環境保全に努めています。これまでの受入により、全体受入計画土量のおおむね半分程度の土砂が投入されたことになり、面積的にもアイランド全体(138ha)の約25%の土地が埋立竣工しています。
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水質調査
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水性生物調査
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汚濁防止膜
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岸和田市貝塚市クリーンセンターが本格稼動
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平成14年度から建設工事が進められていた岸和田市貝塚市クリーンセンターが完成し、貝塚市半田で行われていたごみの焼却処理が本年4月から阪南2区で行われています。
クリーンセンターは、3基で最大531t/日の処理能力の焼却炉を持ち、焼却熱を利用して発電を行い、工場内に供給しており、粗大ごみやビン・缶・ペットボトル等の資源ごみを破砕選別し、再資源化を図るリサイクルプラザも併設しています。
また、ダイオキシン類等の排出ガス対策、エネルギーの有効利用、敷地内緑化、雨水の有効利用等、環境面でも十分配慮した施設になっています。
クリーンセンターでは、廃棄物の3Rを推進し、持続可能な循環型社会の構築を市民の皆さんに理解していただくための啓発施設も設けています。
(詳しくは岸和田市貝塚市清掃施設組合HPをご覧ください。
http://www.kishikai-cleancenter.or.jp/)
クリーンセンター
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人工干潟の状況
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ちきりアイランドの人工干潟は、面積が約5.4haあり、約33万m3の浚渫土砂を活用して平成16年2月に完成しました。
干潟の完成後、国、大阪府(港湾局、環境農林水産総合研究所水産技術センター)、大学、民間企業等が共同で干潟に関するさまざまな研究を進めています。ここではその研究成果の一部をご紹介します。
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干潟地形の変化
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造成干潟の地形は、干潟全体が一様に変化しているのではなく、不均一に変化しています。その結果、タイドプール(潮溜まり)等の微地形が創出され、今も変化を続けています。
タイドプールの発達
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水生生物 |
都市部の港湾海域では、夏季に水質の悪化によって水中の酸素濃度が低下する貧酸素水塊が発生するため、海底は生物の生息が困難な環境となっています。しかし、造成された干潟内部の海域は、水深が浅いため海底まで十分な酸素があり、水生生物にとってオアシスのような機能を果たしています。
干潟にはアサリ、ハゼなどが生息しており、他にスズキ、クロダイ、カレイ、ガザミ、エビ等の幼稚仔も出現し、一時的な生息の場となっています。
また、全国の富栄養化海域の干潟同様、ここでもアオサの大量繁殖が見られました。アオサの適切な管理は重要な課題となっています。
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野鳥 |
干潟造成前は海面であったことから、カモメ類が観察されていただけですが、干潟造成後はシギ・チドリ類やカモ類が飛来するようになりました。平成16年5月から18年11月までの月1回の調査で36種類の鳥類が確認されています。
中でも、ミサゴ、ホウロクシギ、コアジサシの3種は環境省レッドデータブック記載の貴重種です。
この他にも、干潟地形の安定化工法や生物生息促進工法に関する研究が進められ、さまざまな成果が得られています。
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阪南事業部
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引用文献:H19.2「干潟を創る」
(編集発行 国土技術政策総合研究所沿岸海洋研究部海洋環境研究室)
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