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  鴻池新田会所
KOUNOIKESINDENKAISYO
 
 
屋内

外観

鴻池新田会所地図

 JR京橋駅から、学研都市線に乗り、10分程で、その名も「鴻池新田」駅に到着します。その昔、鴻池新田があった名残をその駅名にとどめており、今から約300年前に、洪水氾濫を繰り返していた旧大和川の付け替えによって、開発開墾された新田の運営管理をしていた会所が、今も往時の姿をそのままに残しています。
 鴻池新田会所はその名のとおり、当時の大阪の両替商、鴻池善右衛門によって建設されました。会所では鴻池家から派遣された支配人がおり、新田で米や綿などを耕作している農民から、小作料、肥料代をとり、幕府にまとめて年貢として納めていました。また、新田内の田畑、水路、道路、橋、家屋の管理補修、宗門改帳(今の住民票)の作成、老人への孝養米(今の年金)の支給などもおこないました。また、幕府や鴻池家からの命令なども農民たちに伝達したり、新田内のもめごと処理もしており、今でいう、市役所、警察などの機能を持っていました。
 明治に入ってからは、鴻池銀行(現三和銀行)の出張所なども設置されたこともあり、昭和25年まで会所としての機能が一部残っていました。以後、会所北側の周濠が、国鉄鴻池新田駅高架化に伴い埋め立てられ、また西側にあった役宅跡が近隣商業施設に変わりましたが、本屋や多くの蔵などは原形をとどめ、東・南・西の周濠とともに、昭和51年に国の史跡指定を受けました。しかし、長年の風雨にさらされ、損傷が著しかったので昭和60年から平成7年にかけて、解体修理を行い、嘉永6年ごろの状況に復元されました。


 現在では、夏季と冬期を除いて一般公開されており、ホームページにも紹介されたこともあって、海外から見学に来た方もいました。一般公開時期以外でも、本屋等の貸し室ができ、俳句会、花、写真絵画等の展示会、茶室での茶会などにも利用されています。また土間でおこなわれたコンサート、演劇等では、高い天井の木造の小屋組み空間が、ちょうどよい音響効果をもたらし、評判がよいようです。利用された方は、再度の申し込みもあり、また口コミ等で年々利用が増えているようです。
 新田開発は、当時におけるまちづくりといえ、農民たちの生活再建、自治の現れでもあったことからも、会所はこの地域の求心力として、昨年11月26日に会所祭りを開催しました。自治会、商店会等で「鴻池新田会所協議会」を組織化し、地域に根ざした、まさに市民が出会う所として、活用されています。当日は、パレード、音楽会、茶会、模擬店などもあって、大いに賑わい、成功裡に終わりました。しかし、単にイベントをしたらいいというのではなく、会所が地域とともにありつづけるには、何がいいのか、協議会とともに思案していき、そのプロセスが大事で、その結果が祭り、イベントになったということで、今後とも鴻池新田会所は地域のまちづくりの発信基地として機能していくものと思われます。


 

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