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堺市・東湊町2丁西街区 |
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戦火をまぬがれ、ジェーン台風をはじめとするいくたびかの災害にも耐えて、人々の暮らしを守ってきた堺・東湊町2丁西街区の木造住宅群。今年3月、大正、昭和、平成の時代を生き抜いてきたこれらの家々が、住宅70戸、店舗3戸の分譲マンション「レピア堺湊」に生まれ変わりました。今回は、この建替事業のあらましと事業に携わられた方々の声をご紹介します。 | ||||
街区全体の「共同建替」で権利関係をクリアに | ||||
今回の事業は、平成2年11月に市街地住宅密集地区再生事業の整備計画として大臣承認を受けた「湊地区整備促進事業」の一環として、堺市東湊町2丁西街区の約0.26haを対象に進められたものです。 同街区は、阪堺線御陵前駅の南300m、南海本線湊駅の東600mという、比較的交通の便のよい立地にあります。北には市立湊小学校が隣接しており、西は都市計画道路並松浜寺南線、南は市道東湊 10号線に囲まれており、大正時代からの住宅地として多くの木造賃貸住宅が建ち並んでいました。反面、建物の多くは老朽化が目立ち、道路や公園緑地など都市基盤整備のたち遅れが指摘されるなど、防災面、住環境面から再開発の必要が叫ばれていたのです。とはいえ面的整備の事業規模の大きさから、地権者の方々が個々に行うにも限界がありました。 このため、平成3年度から堺市では財団法人大阪府まちづくり推進機構(現財団法人大阪府都市整備推進センター)と連携を図り、地元の地権者(土地所有者と借地人)の方々との話し合いを進めました。こうした協議を通じて、権利関係が輻輳していることなども判明し、街区全体の「共同建替」に切り替えることが決定しました。こうして、平成5年の6月には地権者の方々を中心とした「東湊町2丁西街区まちづくり準備組合」を設立。いよいよ、本格的な事業化に着手したのです。 | ||||
地権者の負担を軽減する「等価交換」を導入 | ||||
今回の建替事業での大きな特徴は、18人の地権者の方々が、所有していた従前の権利に係る資産を、新しく建設するマンションの一部と価値が等しくなるように交換する「等価交換」の手法を取り入れた点です。これによって、地権者の方が、新たに融資を受けたり資金計画を立てたりといった苦労をすることなく生活を続けられ、事業全体が円滑に進む効果が生まれました。 等価交換方式を成立させるためのコーディネーターとして株式会社長谷工コーポレーションが、またディベロッパーとして住金興産株式会社が事業に参画。平成10年8月には「東湊町2丁西街区まちづくり準備組合」を、事業推進の前提である“地権者全員の合意”の基盤となる「東湊町2丁西街区まちづくり事業組合」に組織変更し、17名の借家人の方々との移転交渉も終了。居住者の移転と、従前建物33戸の除却は、翌11年4月までの間で、すべて終えることができました。その後にマンション「レピア堺湊」の新築工事に着工し、10ヵ月後の今年3月に無事完成しました。 途中、バブルの崩壊による不動産価格の下落や地権者との交渉難航によって、事業計画の見直しを迫られそうになることもありましたが、「レピア堺湊」は分譲完売。成功裡に、事業は完了したのです。 | ||||
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