区画整理

Kishiwada

岸和田市の南部大阪都市計画事業
尾生久米田特定土地区画整理事業におけるまちづくり



区画整理 バブル崩壊により地価が下落する最中、平成8年3月に地区面積約48.5ha(保留地面積:3.6ha)を対象として岸和田市尾生久米田土地区画整理組合が設立(施行期間平成7年〜平成23年度)され、厳しい社会情勢下での事業化であったことから、当初より、他地にない魅力あるまちづくりを目指すことで、本地区の付加価値を高める取り組みをしています。


尾生久米田土地区画整理事業の魅力

 当地区は、「水と緑に親しむまちづくり」をコンセプトに、地区内を流れる春木川、轟川を改修し、水路沿いに配置した親水公園を、緑豊かな歩行者専用道路で結ぶことで、水と緑が一体となった水辺空間が創出されています。また、事業前に地区全体に広がっていた水田、畑を水路沿に集約再配置することで、周辺の住宅ゾーンと自然との緩衝帯的役割も担い、ハクセキレイなど野鳥が舞い降りる環境が保全されています。自然のありがたさ、すばらしさを心と体で感じることで、ここで育つ子供たちが、自然に触れ、感性豊かに育ってくれることを願いこのまちは計画されています。ここには、なにか昔のなつかしい日本の風景が残されています。

現在の事業のとりくみ

 現在、工事進捗率も約90%に達し、新しいまちづくりの先導役として、住宅先行建設区、及び保留地等において住宅建設が行われています。保留地は、造成の進捗に応じ平成15年度より組合による販売が開始され、住宅メーカーとの販売協定に基づく分譲、仲介媒体を通じての地区の魅力の認知度アップなどに努めるとともに、住宅購入を検討されている方のさまざまなニーズに答えうる保留地の提供として、都市計画道路岸和田中央線に面する沿道サービスゾーンをはじめ、歴史文化との調和をはかる風致景観ゾーンなどへの設定がなされています。また、保留地購入における金融機関への融資依頼を行うなど、組合として保留地販売に力を注いでいます。

 地区周辺には、奈良時代に行基が築造し大阪府の史跡・名勝に指定されている久米田池や久米田寺をはじめ、300年の伝統を誇る岸和田のだんじり祭り、岸和田城、季節の花を満喫できる蜻蛉池公園、国の天然記念物に指定されているブナ林が残る和泉葛城山など、歴史文化と自然にふれあえる場所がたくさんあり、訪れた際にでも地区のすばらしさにふれてみてはいかがでしょうか。

■保留地に関するお問い合わせ
岸和田市尾生久米田土地区画整理組合
〒596−0823 岸和田市下松町813
Tel.072−428−7888  Fax.072−428−7889
ホームページ上からも詳細をご覧になれます http://www.sensyu.ne.jp/obukumeda/index.htm


Ibaraki

茨木市の上穂積西土地区画整理事業
〜3地区にまたがる区画整理事業〜




地区の概況

 上穂積西地区はJR茨木駅から北西に約1qに位置し、名神高速道路茨木I.Cにも近接した利便性の高い住宅地である。また地区南側には地域の基幹公園となる上穂積公園もあり、良好な住環境が形成できる地区である。(地区西側を名神高速道路が通過しており、その防音壁は景観上好ましくないが、騒音はほとんど感じられない。)


事業実施の背景

 当地区は府内の区画整理事業では珍しく、区域が3つに分かれて事業実施を行った希有な例である。A・B地区の面積は各々概ね1ha強、C地区が約600uの事業区域面積約2.4haの小さな区画整理事業である。当初B地区で地元の機運が盛り上がり、事業化を検討している途中で、A地区にも飛び火する形で同時に事業実施することとなった。一方、事業中であった上穂積公園の計画地となっている土地の所有者の残留意向が強く、代替用地を換地として確保できる区画整理事業区域への編入が検討され、当該用地を保留地として公園事業者に売却するというスキームが考えられた。区画サイドとしても保留地が確実に売却できるメリットがあった。


事業内容

 従前の公共用地率はわずか4%弱であり、一般的な農地を主体とする地区と変わりないが、施行後の公共用地率を20%強という低い数字に押さえたことが、減歩率の抑制に結びついている。なぜ公共用地率が低いか…、それは地区内に公園緑地を確保せず、道路幅員も全線4.8m(B地区南側は上穂積公園側にまたがって道路幅員6mを確保しており、公園側の道路用地部分を除いた部分を確保し、道路築造費はコストアロケーションしている。)にしたことが大きな要因である。
 公園については、B地区南側に大規模な上穂積公園が暫定利用されており、地区全域を誘致圏に巻き込んでいることから公園は地区内に設けなかった。また道路幅員についても地区周辺の既存道路幅員も広くなく、区画整理だからといって事業地区内のみが画一的に幅員6mを確保する必要性がないと考えた。4.8m道路なら路上駐車の懸念もなく、低減歩率となることから地元協議の中で当該設計が了承された。


飛び地施行の一考察

 土地の入れ替えができる交換分合手法を持つ区画整理事業は土地利用整序の観点からも非常に有効な事業手法であり、飛び施行地区となる区域設定ももっと柔軟に考えてみてもいいのではないだろうか。土地区画整理事業運用指針においても、飛び施行地区に関する留意事項の記載があるが、場合によっては、4つ、5つにまたがった地区や、距離の離れた飛び地施行の事業展開も可能と考えてみてもいいのではないだろうか。
 現在、大阪府が提唱している「やらかい区画整理(後頁参照)」を参考にもっと幅広く換地手法を持つ区画整理事業を活用してはどうだろうか。


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