クリア   まちづくり人 関係者コメント
バー
  なび1 なび2 なび3 なび4 なび11 なび5 なび6 なび7 なび10 なび8 なび9


   
  かつての温かさを忘れずに
 一つ屋根の新たな暮らしへ

(地権者)
 
 
中江氏
野田共同街区市街地
再開発組合
理事長 中江 正義さん

  以前から地区の自治会長をしていた縁で、庄内の連合自治会と共同で野田のまちづくりを考えてきました。さまざまな案が出る中で、一旦更地にして共同建替を行うことが決まったのは昭和60年ごろ。住民の希望は長屋、マンション、戸建てと分かれており、それぞれに組合を設立し事業を進めていったのです。とはいえ、合意形成にはやはり時間がかかりましたね。苦労したのは、自分たちで事業を進めるのだという主体者意識を皆さんに持ってもらう点です。高齢の方や、年金生活をしている方など地権者一人ひとり条件が異なり、共益費を先々支払っていくことへの不安などもありました。豊中市のご協力を得て話し合いを繰り返したり、よそのマンションを見学に行ったり…。最終的に合意が得られたときには、ホッとしたことを覚えています。

 私にとって野田は、25年前に初めて持ち家を構え、娘と息子を育ててきたかけがえのないまちです。かつては子供たちの元気な声がひびき、夏の夕暮れには路地に縁台を出して、近所の者が集まり世間話に興じました。そんな庶民的で温かみのあった野田を、今でも懐かしむことがあります。

 ともあれ、これからは一つ屋根の下でみんなが暮らすことになります。私も自治会活動などを通じて、トラブルのない明るいまちづくりに微力を尽くして行きたいと思います。(談)



  一歩踏みこんだ
 調整役を目指して
(コーディネーター)
 
 
森下
大阪府建築都市部建築指導課 H8〜H11年度
(財)大阪府まちづくり推進機構(現:(財)大 阪府都市整備推進センター)在籍
森下 嘉弘 さん

 私が、大阪府まちづくり推進機構の一員として野田地区再開発事業に携わったのは、出向先の泉佐野市都市再開発課から大阪府に帰任した平成8年度、再開発組合がまだ共同建替準備組合であった頃でした。

今回は、豊中市さんと共に各地権者さん一人ひとりの声を聞きながら

、広い範囲のさまざまな仕事に携わることができました。事業に関わるうえで心がけたことは「“民間コーディネーターの限界を超えた公的コーディネーター”として、皆さんと一緒に知恵と汗を絞ろう」ということです。 今回実現した豊中市さんによるコミュニティ住宅の導入は、まさにその好例といえるでしょう。必然性と妥当性をご納得いただくには、それなりの苦労もありました。しかし、この提案を受け入れて頂いたことから公社さんの事業にも採算のメドが立ち、計画全体の実現に大きく前進できたと考えています。

 推進機構の使命は信頼ある公的機関として事業進行の調整を図ることです。しかし、それは推進機構だけの力で果たせることではありません。事業に関連する皆さんのご理解とご協力が必要なのです。たとえば今回地権者さんの住宅とコミュニティ住宅、公社さんが分譲される住宅の混在ができましたのも、地権者の方々のご理解、ご協力があってのことです。また賛助会員さんからも、おりにふれて適切なアドバイスをいただけましたことも大きな力になったと思います。改めて関係者の皆様に感謝いたします。(談)



  綿密な事業の連携を図り
好評の内に即日完売 〜リリブ豊中野〜

分譲住宅事業者(大阪府住宅供給公社)
 
 
奥村さん
大阪府住宅供給公社
街づくり事業部 都市整備課 まちづくり推進係長
奥村 拓司 さん

 野田地区は、過去のさまざまな経緯から虫食い状に移転跡地が点在し、住宅の老朽化が進むなど都市整備上の課題を抱えた地域です。しかし駅に近く利便性は高いうえ、近隣には商業・文化施設もあることから、住宅地区としての再整備が求められていました。こうしたことを背景に、府下の住宅供給の一環として事業への参画を決定しました。

 当事業は、再開発法で定められた組合施行による権利変換に基づき、公社は、参加組合員として保留床を取得。組合並びに豊中市との綿密な事業の連携を図り、建設費の立替施行を行うなど、公社一般分譲住宅として低廉な価格で販売することが実現できました。

 「リリブ豊中野田」の設計に当たっては、住宅購入者のニーズに配慮し快適性、安全性を重視。特に航空路線の直下に位置するため、騒音対策としてTs−35等級のサッシを設置、居室に柱や小梁をつくらないようボイドスラブの採用などにより、居住空間の確保に配慮した。
 また、駐車場の屋上利用としてプレイロットを設置したり、雨水貯水槽を設けて植栽への散水に利用するなど、屋外空間の豊かさと環境保全にも十分に配慮しています。購買層を若年の需要に応えるべく、販売価格帯は2,600万円台(75m2タイプ)中心に抑えることにより、46戸の分譲に対し約1.5倍の申し込みを受け、即日完売しました。
 この事業を通して地区の再生と活性化に貢献することができました。今後も府民の皆様のお役に立てるよう「公社にしかできない」地域に密着した住宅の供給を行っていきたいと考えています。(談)


  3つの事業手法を導入しより住みよいまちへ
豊中市
 
 
森 唯博さん
豊中市建築都市部
庄内再開発室
事業課 主幹
森 唯博 さん
 野田共同街区第一種市街地再開発事業は、土地区画整理事業、密集住宅市街地整備促進事業を導入した合併施行という点で、全国的に見ても珍しい事業といえるでしょう。そのため事業の進め方に大きな特徴が2つあります。

 その1つは、従前建物資産については、土地区画整理事業や密集住宅市街地整備促進事業により市が物件移転補償契約を締結し、補償金を支払っていることから、土地のみについて権利変換計画を行ったことです。もう1つは、都市再開発法90条登記で、仮換地前の従前地において所有権の移転登記を行っている点。これは、今回の再開発区域が仮換地上であることから、新たな土地の表示の登記や所有権移転登記が換地処分までできないことによるものです。以上が他地区の再開発事業と異なっている点であります。

 以前この事業を進めていく中で地権者の合意形成には、多少時間がかかりましたが、建替組織が決まりますと共同街区に参画した方々に対してのみ仮換地した関係上、事業がスムーズに進み、都市計画決定から竣工まで約3年という短期間で完了するなど、合併施行ならではの利点もありました。

 現在、野田のまちは、多くの方たちの力によって変わろうとしています。2〜3年後には、災害に強く、以前にも増して住む人が愛情と誇りを持てる新しい野田が、誕生することでしょう。その日を楽しみにしつつ、改めてご協力いただいた皆さまに厚く御礼を申し上げたいと思います。(談)


もどる

| index| 特 集| まちづくり人| 事 例 | 夢をかたちにまちづくり| 情報BOX|
| 都市のアメニティー| みんなの広場| 賛助会員| パーキング| 魅力ある施設|


INDEXにもどる   homeにもどる