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交野市は歴史が古く、京都・奈良・大阪の間に位置し、生駒山系に属した緑豊かな山地が、市の面積の約半分を占め、自然と風土に囲まれています。
磐船地域は、交野市のほぼ中央。JR片町線河内磐船駅と京阪交野線に隣接し、府道交野久御山線と市道私部森南線に囲まれた一角が、河内磐船駅北地区です。“いわふね”地域は歴史を物語る磐船神社の巨岩をはじめ森古墳群、国宝である薬師如来座像、重要文化財の阿弥陀如来像などの歴史的遺産や文化財が数多くあります。
この近辺には、府民の森や植物園があり、また磐船地狭や尺治峡谷などの自然も保全されています。磐船地域は生活文化創造拠点として位置付けられており、保健福祉総合センター、休日急病診療所、シルバー人材センター、こどもゆうゆうセンターなどの施設が立地。交通の利便性を活かしながら基盤を整理し、諸施設の適切な誘導によって、さらなる機能の充実が望まれていました。
このようなことから、当地区において組合施行による特定土地区画整理事業が実施されることとなりました。 |
交通至便な市の中央部に位置する河内磐船駅北地区 |
駅前広場では巨大な「岩の船」が訪れる人々を迎える |
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空から見た河内磐船駅北地区
施行前 |
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施行後 |
計画的な整備が望まれていた |
整然と生まれ変わった |
平成5年12月撮影 |
平成5年12月撮影 |
地区の道路計画においては、地区を縦貫する都市計画道路私部東線を骨格に、幅員6〜8mの区画道路と歩行者専用道路を設け、JR河内磐船駅に面する位置には2,200m2の駅前広場を配置しました。広場には、磐船峡の巨岩と天の川から流れる水をモチーフにしたランドマーク空間を創出。「いわふね文化ゾーン」のシンボルとして市民に親しまれる演出を図りました。従前から地区内にあった市立岩船小学校の校地整形も、併せて実施しています。
また、楽しさとやすらぎをもたらすため、地区内に2つの公園を設置しました。自然石の並ぶ小丘や芝生、石垣や遊具を配置しただけでなく、1号公園の地下には調整池を新設して、防災面にも配慮。上下水道等を完備した良好な住宅系市街地の基盤を形成し、平成12年4月に竣工しました。
この河内磐船駅北地区が整備されたことで、バスが駅前広場を経由する事になり、交通の便がさらに良くなりました。また、事業の進捗にあわせて地権者の方による「まちづくり研究会」が発足し、街区ごとの土地活用による収益性の研究、経営のノウハウをこぞって勉強し大変な意気込みをもって対処されました。これにより、大型小売店などの店舗が出店。収益マンションや賃貸住宅なども建てられ有効な土地利用が図られています。
土地区画整理事業による基盤整備に加えて、地権者の土地活用による経営指向の高さや、地区計画により建物の用途、敷地の最低規模、壁面の位置など建物等に関する制限を定めるなど、良好な居住環境の形成をめざし、永住魅力のあるまちとして発展を遂げています。
事業概要
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事業名称 |
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交野都市計画事業河内磐船駅北
特定土地区画整理事業 |
事業施行者 |
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交野市河内磐船駅北土地区画整理組合 |
施行地区面積 |
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93,579平方メートル |
組合員数 |
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63名(換地処分時) |
事業施行期間 |
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平成6年9月〜平成12年9月 |
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地区計画の推進
- 地権者の意向を反映した地区計画を定め、まちの美しさや“いわふね”らしさを追求しながら、住宅地にふさわしい秩序ある土地利用の規制・誘導を図る。
- 建築物の高さや敷地面積の制限など、良好な住環境の保全をめざす建築の規制・誘導を図る。
- 生活道路や公園、広場など、生活基盤を計画的に整備する。
設計図
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