堺市には、阪堺電気軌道鰍ェ運営する大阪で唯一残る路面電車が走っています。
発車時に車掌さんが鳴らす鐘の音から「チンチン電車」の愛称で人々から親しまれ、恵美須町・浜寺駅前間を走る阪堺線と、天王寺駅前・住吉公園間を走る上町線があり、大和川を挟んで大阪市・堺市間を結ぶ地域の交通の足となっています。
上町線の前身は、大阪馬車鉄道鰍ェ、明治33年にお客さんを乗せて、馬車がレールの上を走る馬車鉄道として設立し、もう一方の阪堺線は、旧阪堺電気軌道梶A明治44年12月に恵美須町〜市之町(現・大小路)間、同45年3月に大小路〜少林寺橋(現・御陵前)間、そして同年4月に少林寺橋〜浜寺(現・浜寺駅前)間が開通し、現在の阪堺線の路線が完成しました。
かつての阪堺沿線の大浜は公会堂や潮湯、水族館、そして海水浴場などで賑わい、浜寺の水練学校が全国的にも知られ、白砂青松として名高い浜寺公園は人々の憩いの場であり、また、歴史的資産が多く残る堺には、与謝野晶子や千利休ゆかりの地や、環濠都市を形成した自治都市として繁栄したころの名残をみせる鉄砲鍛冶や刃物製造業の屋敷なども見られ、昭和20年代の後半から30年代の初めにかけては、たくさんの人々が訪れ、軌道線の黄金時代を迎えました。
現在の沿線には歴史的に重要な史跡・旧跡が遺り、中世より「高い文化」「高度な技術」「新しいモノ」などが行き交う活気あふれる情報発信基地として生み出された堺刃物、昆布、線香、自転車などの工房が存在し、それらをつなぐ観光資源として、また、地域に密着した交通手段となっています。
しかし、阪堺線は昭和30年代半ばをピークに旅客は約6分の1まで減少し経営も非常に厳しくなり存続が危ぶまれています。そこで地域の貴重な財産であるチンチン電車の存続を支援するために、「堺のチンチン電車を愛する会」が設立されました。(入会等のお問い合わせは上記まで)
車窓から見た風景は現代的なまちなみはもちろんのこと懐しい日本にタイムスリップしたかのように歴史的な建物が多くみられ豊かな文化を感じます。みなさんも堺にきてチンチン電車に乗ってみてはいかがでしょうか。
都市整備事業部 藤池和久