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からほり倶楽部
からほり商店街界隈長屋再生プロジェクト
からほり倶楽部代表
六波羅真建築研究室代表
六波羅 雅一さま
六波羅 雅一さま
ろくはら まさかず
1962年生まれ
六波羅真建築研究室代表
2001年4月空堀商店街界隈長屋再生プロジェクト
「からほり倶楽部」を設立。

 大阪の都心、心斎橋から徒歩10分の空堀には、木造長屋が現存しています。その長屋を再生し、複合ショップとしてまちぐるみ活性化する、いま注目の「からほり倶楽部」のお話をうかがいました。

空堀のまち・長屋との出会いからお聞かせくださいーーーーーーーーーー
古いまちなみの雰囲気に
心惹かれました
 空堀との出会いは、15年ほど前になります。石畳とか、井戸、祠、入り組んだ路地、昔ながらの町屋などが残っている、その雰囲気が好きでした。長屋は、職業柄、建築的興味で、建物を取り巻く環境とともに木造長屋がこの地に残っていることに興味をもちました。ところが、長屋はどんどんなくなり、空き家も多くなり、建築基準法のため、路地奥の長屋は建て替えができず、廃墟として放置されたままになっていきました。

みんなに知ってもらいたいと思ったことがはじまりです
 家屋が老朽化し、違法建築物が建ち、雑草の生えた空き地が点在する、変貌しはじめた空堀に、様々な問題があることを知人に知ってもらうことでいろいろな知恵が出るのではないかと、人々に集まってもらったことがはじまりです。
1回目の集まりは、私の関わる異業種交流会のメンバーや中小企業経営者、地元の人々、見知らぬ人まで約40名が集まりました。

はじめからまちづくり活動への展開イメージを描かれていたのですかーーーーーーーーーー
まちづくりは、人、仲間です
 頭のどこかにまちづくり活動のイメージがあったのかもしれませんが、まちづくりに参加した経験もないずぶの素人です。今のように展開して、注目を受けるとは考えてもいませんでした。
 建物単体が再生されれば建築設計の役目は終わります。ところが、知ってもらう活動を続けていくうちに、地元の人が関わり、まちが関わるというように“まちづくり”にひろがっていきました。これは、手伝ってくれた仲間の力です。
 当初は、どのように展開したらよいかわかりませんでした。集まる人々の目的が何なのか推測できません。この集まりから仕事の発生を望んでいる人、地元を再生したい思いの人、仲良しクラブでよいのかとも思いました。


からほり倶楽部には3っの
目的があります
美しく歴史のあるまちなみの保存・再生
イキイキした活力あるまちづくり
新旧世代、文化の共生
 からほり倶楽部は3つの目的を持ち、活動を進めています。
当初のメンバーからは入れ替わり様々な思いや目的で集まってきた人々の中から、3つの目的と同じ思いの人々が活動を支え、発展させ展開してきています。
 こうした活動の鍵は“仲間”ですね。

懐かしさ漂う“練”の店内
懐かしさ漂う“練”の店内

複合ショップ“練”の外観
複合ショップ“惣”の外観
複合ショップ“練”の外観
複合ショップ“惣”の外観

3年余でいろいろなことができました
 仲間がアイディアを出し、実行する原動力となってくれました。絵の好きな人がタウンマップのアイディアを出し実際につくる。ある人は、イベントのアイディアを出して、実行する。いろんな方向を持つ人々が集まっていますが、からほり倶楽部は設立して3年余で、ここまでうまくいくとは考えていませんでした。
 
長屋再生プロジェクトーーーーーーーーーー
住まう人がいれば長屋は朽ち果てない
 長屋は住む人がいれば朽ちないと考え、空き長屋を紹介する長屋物件説明会を開きました。心斎橋から10分、家賃が安いということで、希望者は結構あります。しかし、物件説明会を進めていくうちに、不動産屋と変わらない活動ではないかと思うようになり、“練”や“惣”のような複合ショップへと展開してきました。長屋の再生を計画し施行して、テナントを構成し、主要店舗を設計、経営者の一人として携わり、建物と一緒に育てていく。再生工事が完了しても、ずっと携わっていけることが、今、一番の幸せです。

行政に希望することーーーーーーーーーー
地元のまちづくり活動の意向を聞いてください
 からほり倶楽部を中心にまちづくりを進め、今のような大きな動きになってきました。まちが動き出すと突然、行政が大きな予算で新たな計画を地域に持ち込んで来ます。みんなの熱意で進めている住民まちづくり活動は、ひとたまりもなく頓挫してしまいます。積み上げてきた活動や、みんなの思い、話し合ってきた計画は吹っ飛んでしまいます。計画を持ち込むときは、先導的に地元で活動しているまちづくり団体の意向を聞いてほしいと思います。

からほり倶楽部の将来イメージーーーーーーーーーー
3っめの目的に向かっています
 からほり倶楽部の3つめの目的「新旧世代、文化の共生」をめざして、複合施設“萌”をつくっています。
 商業施設ばかりを展開することへの疑問を感じ、このまちに足りないものを考えたとき、「文化」に行き当たり、「直木三十五」に行きつきました。直木の故郷、空堀に記念館を設立し、文化情報の発信地にできればいいなと考えています。

住民の自立が一番の願いです
 当面は、直木記念館を創りあげることです。からほり倶楽部の活動をきっかけに、まちを盛り上げようと様々な方面で盛り上がってきています。住民が自ら立ち上がることが、からほり倶楽部の一番の願いですから、そうなれば、からほり倶楽部はやめるべしかもしれませんね。 (笑)

店舗の天井に大きな梁が走る"練"の店内
二階の出窓を利用した商品展示(練にて)
店舗の天井に大きな梁が走る"練"の店内
二階の出窓を利用した商品展示(練にて)

 からほり倶楽部がある空堀界隈を見学し、六波羅代表のお話を伺って感じたことは、当センターもまちづくりに携わっていく上で、今まで以上にリーダーシップの重要性、同じ思いをもつ「仲間」の団結力で地元住民と向き合い、いっしょに歩き、そこで発見した歴史的なまちなみや文化との共存を考えたまちづくりを行っていきたいと思いました。 

都市整備事業部 藤池和久

路地を挟んで再生長屋が続く“練”の門内
路地を挟んで再生長屋が続く“練”の門内
空堀地図
インタビュー風景

 大阪の都心とは思えない蝉時雨の中でのインタビュー。お話し好きで、まちづくりは“仲間”といいきる代表。ゆったりと穏やかな語り口は、スローライフの達人との印象を受けました。
 からほり倶楽部のことで、ご多忙の中、ありがとうございました。

インタビューアー  岩井珠惠