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都市再生の実現化に向けてのセンターの取り組み
土地区画整理事業を中心として
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| はじめに |
これまでの市街地整備の考え方は、人口の増加傾向を前提に予測し、大量の宅地供給等を目的として主に郊外部で事業を展開してきた。現在、人口減少・高齢化社会が到来し、郊外部では宅地供給のオーバーストックが生じ、また、都心部では少子高齢化による空洞化や遊休地の増加が顕在化してきているため、都心部と併せた周辺部の再生への事業展開が必要であると考えられる。
都市再生の取り組みとして、これまでの行政主導のまちづくりでは、財源的にも発想的にも限界があり、都市再生を進めるには、民間事業者や学識経験者、コンサルタント、NPOなど多様な主体との連携による都市づくりが重要と考えられる。
よって、ここでは国、大阪府の都市再生への方針と戦略を踏まえ、公民との橋渡しをしてきた当センターの都市再生の実現化に向けての取り組み・役割を述べるとともに、今後の土地区画整理事業の円滑な推進に向けての課題、対応策についてもとりまとめる。
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| 1.都市再生への国・府の方針 |
1)国の方針
(1)既成市街地の事業に重点をシフトする必要性
@経済の再生のために、経済活動の舞台である都市について、現在の拡散型の都市構造をコンパクトで多様な機能を有する市街地に改編していく必要がある。
A密集市街地については、緊急的に防災性を向上させる必要性があるとともに、沿道建物への民間投資を誘導し、適切な公民の役割分担のもと、整備を推進する。
(2)民間施行の活用
既成市街地における事業は、公共団体が主として施行してきたが、今後、広範な事業展開を図るには、適切な公共側の支援のもとで、個人・組合等の民間施行による事業も併せて積極的に活用していくことが必要である。
(3)地方都市再生
地方都市については、中心市街地の活性化や地域振興のための産業業務用地の整備など、各都市に共通する横断的かつ構造的な課題を中心として都市の再生に取り組む必要がある。
2)大阪府の方針
(1) 新しい大阪府の都市像への基本姿勢
基本姿勢1
人口、産業集積及び社会基盤施設のストックが異なる、都心・インナー・アウターの3エリアに注目し、それぞれのエリアの特性、個性等ポテンシャルを引き出していく。
基本姿勢2
地域の住民と行政が協力し、地域と人、人と人の繋がりを大切にして、地区、沿道、街区レベルできめ細かなまちづくりが実施され、地域の個性を引き出す地域マネジメント型のまちづくりに転換する。
国においては、都市再生プロジェクト「密集市街地の緊急整備」を促進していることから、大阪府では、今後10年間を目処に、公民が相協力してインナーエリアの再生に重点的に取り組む。
(2) インナーエリア再生の方針
@市街地整備の基本戦略
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A再生の実現化
パートナーシップによる連鎖協奏型都市づくり
B計画策定フロー
市街地再編プログラムの策定
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| 2.都市再生実現に向けての取り組み・役割
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既成市街地の再生は、従来、公共団体が主導してきたが、行政との役割分担を明確にすることにより、組合施行でも充分可能となる。具体的には、事業推進にあたっては行政との橋渡しが出来る第三セクター等の活用があげられる。
当センターは、府下の都市行政を補完・支援するために設立され、これまで、土地区画整理事業及び密集市街地の整備等、多くの事業のコーディネートや計画・調査、事業推進等に、府の外郭団体として深く関わりその役割を果たしてきた。ここでは、土地区画整理手法をベースとした都市再生の実現化に向けてのセンターの取り組みを、以下にとりまとめる。
表−1は、計画策定手順の各段階でのコンサルティング機能とコーディネーター機能面からのセンターの役割を示すものである。
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再生されたまち
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| 門真市末広南地区 |
枚方市伊加賀西地区 |
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| センタ−の取り組み・役割 |
@民間事業者、NPO等との連携により、計画的まちづくりの発意を促す。
A行政に働きかけ、事業推進協議会を設置し、センターが主体となって会を運営する。
B過去の実績、ノウハウをもとに、センターが主体となってコンサルティングとコーディネートしながら整備構想の策定、事業化促進のための事業計画案を作成する。
C事業化にあたっては、公民の役割分担を明確化し、円滑な事業推進に努める。
表−1 土地区画整理手法をベースとした
都市再生の実現化に向けてのセンターの取り組み・役割
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土地区画整理手法をベース
とした場合の計画策定手順
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センターの取り組み(役割)
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コンサルティング機能
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コーディネート機能
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1.公民の各主体からの事業提案
●行政は、民間事業者、NPOなどがコーディネートし、公民の各主体による整備の発意を促進する。
●行政は、市街地の再編に取り組む公民の多様な主体からの事業提案に基づき、関係者で構成される事業推進協議会を設置する。
●事業推進協議会は、多様な手法の活用、様々な主体の参画と連携など、総合的に事業が展開できるように体制を整えていく。
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@課題及び問題点を整理し、整備手法を提案
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@民間事業者、NPO等との連携により、計画的まちづくりの発意を促す
A行政に働きかけ、事業推進協議会を設置し、センターが主体となって会を運営する
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A整備手法の検討
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B事業スキームを設定し、実現化方策の検討
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@地権者負担の軽減対策
A自治体費用負担の軽減対策
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2.整備構想の策定
●事業推進協議会は、各主体の役割等を調整しながら、公民が共同で取り組む市街地再編の方針を示した整備構想を策定する。
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@地元説明会
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A住民参加によるまちづくり組織を設立させ、基本計画を作成
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@基本計画の作成の相談役
A都市整備推進基金を活用し、組織を支援する
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3.事業化の策定
●整備構想に基づいて、対象区域の権利者等と意向を調整し、まちづくり組織を設定する。
●まちづくり組織は、具体的な事業の企画提案、資金調達、建設、運営等を提示する民間事業者とパートナーシップを組み、対象区域の事業計画(案)を作成する。
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@区画整理設計及び事業計画の作成
A換地計画において、将来の土地利用に即した土地の集約
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@地元説明会
A土地利用計画の企画、資金調達方法、運営等を提示する
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4.再生されたまち
@合併事業(街区高度利用土地区画整理事業と密集市街地整備促進事業)
門真市末広南地区(例)
A共同事業(スーパー堤防整備事業と土地区画整理事業)
枚方市伊加賀西地区(例)
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@公民の役割分担を明確にし、事業を円滑に推進する
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@地権者のまちづくりに対する意識を向上させ、街並み景観を統一する
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Aスーパー堤防整備事業の実施に伴う、課題及び問題点を整理し、地権者の合意形成をはかる
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@河川側と地権者との調整、協議を行うコストアロケーションによる費用負担割合
A事業開始から終了までの事業運営を行う
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3.実現に向けての推進体制システム
計画的なまちづくりを進めるには、@地域からの発想を適切に計画づくりに反映させること、A事業手法の具体化や、B行政との役割分担等、様々な問題を解決していくことが必要である。
このため、地元住民による主体的なまちづくりを、行政及び専門的な見地からまちづくりをサポートするコーディネーター等が適切に支援しつつ、まちづくりを推進していく体制整備を図る必要がある。
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図−1 推進体制
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4.土地区画整理事業の課題と対応策 〜特に、組合施行を中心に〜
(1)組合土地区画整理事業の課題
組合土地区画整理事業は、多くの場合は資金収入の大部分を保留地処分金に依存する事業であり、近年の社会経済の停滞や地価の下落により大きな影響を受けている。一部の組合では、その運営について、大変厳しい局面を向えており、資金計画の健全化を図ることが共通課題になっている。
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表−2 組合土地区画整理事業の経営状況の実態調査結果 (出典:国土交通省都市・地域整備局市街地整備課)
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平成12年5月調査
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平成13年8月調査
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| 調査組合数(全国) |
1,083組合
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1,059組合
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| 収入不足が見込まれる組合 |
112組合
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133組合
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| 不足見込額10億円以上の組合 |
39組合
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43組合
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| 不足見込額合計 |
約1,630億円
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約1,880億円
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*不足見込額の原因の約8割以上が保留地処分金収入の減少
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(2)組合土地区画整理事業の対応策
組合土地区画整理事業を成功させるには、いかに保留地を完売するかにかかっており、そのため保留地処分の工夫のなかで、保留地を立地条件の良い場所に集約することを上げたが、これは大変難しく、まず地権者の同意が必要となる。集約するための手段の一つとして、事業の執行部であるとともに、資金借入れの連帯保証人の組合役員の土地をターゲットに飛換地して保留地を集約するが、この説得には多大な時間と労力の覚悟が必要である。
このように組合区画整理は保留地処分が重要な現実課題となるが、区画整理が「都市やまちをつくり、環境を売る」、「住まいや生活を売る」という都市づくり本来の観点から、以下のような街の魅力付けや住民・地権者協働での仕掛けづくり(ソフト面)での工夫を行い、それと連動してハード面への対応を初動期から考慮して進めることは重要である。
そのため、これからの換地設計は、照応の原則を逸脱する恐れはあるが、その都市や街の将来の土地利用等を考慮して土地を先行的に集約していく必要がある。
表−3 今後の土地区画整理事業の対応策
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| ハード対応 |
ソフト対応 |
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1.保留地処分の工夫
@換地設計時に、保留地を立地条件の良い場所に集約する。
A過少宅地の地主に付け保留地を説明し、直接販売する。
B保留地処分の目処が付くまで、地権者の土地売却を抑制する。
C保留地を広範な情報を持っている専門業者に代理販売させる。
D建物付の保留地処分を検討する。
2.事業を進める方針
@保留地の販売状況を考慮して、事業の収支バランスを検討する。
A資金計画の見直しとして、工事費のグレードを抑制する。
B借入金利の負担逓減の工夫として、保留地を設定している区域の工事を急ぐ。
C行政による財政的支援等がないか検討する。(上下水道、公園整備等を市事業として施行)
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1.街の魅力づくり
@構想、計画及び設計段階で付加価値を付ける。
A地域の自然環境、風土、文化を生かした魅力あるまちづくり。
B景観、防犯、福祉、IT、エネルギー面からの整備方策。
C制度、協定の検討。(地区計画、建築協定、緑化協定等)
2.住民協働まちづくりの仕掛けづくり
@事業区域内及び周辺地域の住民が参加し、まちづくりを仕掛ける。
A計画段階から民間事業者とパートナーシップを組み、維持管理段階までの街のマネージメントのあり方を検討。
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| おわりに |
都市再生は、国、大阪府の方針でもあるように、既成市街地の再生にシフトしている。
今までの新市街地の事業は、土地を相手にまちづくりの整備を推進してきた方法から、既成市街地の再生においては、住民の生活意識や慣習等の人の心を理解するとともに、地域のもつ歴史的、文化的資源をも活用し、多くの方々(公民)と様々な議論をしながらまちづくりを進める必要がある。
そのため、今後は、当センターは、都市再生の実現化に向けてのコーディネーター役として実績のある土地区画整理手法だけではなく、密集事業等のまちづくり事業手法との合併事業や、スーパー堤防整備事業との共同事業を行うことにより、事業がスムーズに実施できる体制整備を図ることはもとより、地元住民の方々にも理解、協力していただける技術力や説得力を醸成していきたいと考えている。
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文責:都市整備事業部区画整理課長 吉川 和夫
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