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整備が進むくすの木タウン萱島
 
クリア 整備が進む
新しい世紀を担う自立したまちづくりを
和泉市長 稲田順三
 
稲田順三  多様な企業が立地する「テクノステ−ジ和泉」は大阪経済の活性化を目指し、民間と大阪府、それに和泉市が連携をとりながら整備を進めてきました。市は地元対応を担当したのですが、計画がスタ−トした昭和60年は高度経済成長期。地価上昇の影響もあって、用地買収交渉なども順調に進んだわけではありません。地権者の方々にとっては、先祖から受け継いだ大切な土地ですからもっともなことです。しかし「テクノステ−ジ和泉」が未来の可能性をひらく産業活動の舞台であることをお話しし、地域の発展のためにぜひ貢献していただけるよう誠意をもって説得を重ねた結果、関西空港と大阪都心部の中間地点にある、優れた環境の用地を確保することができました。
 「テクノステ−ジ和泉」には目的が4つあります。そのひとつは雇用です。現在約700人が働いていますが、来年は1,100人、最終的には5,000人を目標にしています。2番目は下請けの増加による商工業の活性化です。3番目は道路、下水、水道、電話などのインフラ設備の整備があります。そして、その結果として税の増収です。産業を活性化させながら都市基盤の整備を進めるので増収が見込まれ、それがさらなる活性化に転開するのです。
  現在、31の企業が立地していますが、分野は多様で、中には「ヒラメの養殖業」という新しい事業も含まれています。同じ分野の企業が集まるよりは、たくさんの違った業種が集積するほうが将来的に見て安定性が高いと思われるので、これからもいろいろな企業を積極的に誘致してまいります。また、環境への配慮が求められている今、「テクノステ−ジ和泉」が様々な課題に取り組みながら、再資源化を推進する「環境に優しいまち」を目指していることはいうまでもありません。
  和泉市は府下で5番目に広い面積をかかえており、現在は市域を大きく4つに区分して、地域ごとの特性に応じた整備を推進しています。公共施設が多く利便性に富んだ北西部地域は、にぎわいと活気にあふれたまちづくりを進めています。北部地域は、弥生時代の日本を代表する歴史文化遺産の池上曽根遺跡などを活用した、憩いとやすらぎのある地域になるよう取り組んでおり、「テクノステ−ジ和泉」が位置する中部地域は、和泉中央駅の開設に伴った開発や、住宅や公園などを整備した地域を目指しています。また、南部地域は豊かな自然環境を活かし、うるおいにあふれた地域づくりを進めています。
 社会が激しく変化する現代、地方分権が進み、国や府県に頼らない、地域独自のまちづくりが求められています。自立したまちをつくるためには、働く場所、憩う場所、暮らす場所のバランスが大切なのではないでしょうか。4つの地域のバランスをとりながら、和泉市が活力あるまちとなり、「テクノステ−ジ和泉」が新たな産業都市として飛躍できるよう、今後も全力を傾けてまいります。  
 
1.事業化の背景と気運

 「和泉コスモポリス事業」の開発構想が示されたのは今から約16年前の昭和60年ころ1980年代の後半で、そのころの日本経済は高度経済成長期にあり貿易黒字が拡大し、アメリカとの貿易摩擦がおこり、輸入拡大が叫ばれた時代でもありました。
 一方「和泉コスモポリス事業」(テクノステ−ジ和泉)が計画された当時の大阪では国の産業政策が大都市から工場を分散させて、地方に配置する再配置計画が進み、特に大阪では多くの工場を地方に送りだした結果、大阪の産業は地盤沈下を来していました。
 また、これまでの我が国経済を支えて来た既存の基盤は大きく変化し、すでに当時の大阪では、特に大阪と関係が深いアジア諸国においては、生産コスト面での有利さに加え、先進諸国の資本や技術の導入などによって急成長を遂げて、これまで大阪経済の発展をリ−ドしてきた家電等の機械産業は、最終組み立て部門のみならず、中間加工部門の生産拠点も海外にシフトさせつつあったほか、素材型産業もアジア新興工業地域等の追い上げを受けてきております。
 10数年前のこのような状況下で、大阪経済の再興の願いをこめた一大プロジェクトとしてスタ−トを切りましたのが、この「和泉コスモポリス事業」(テクノステ−ジ和泉)であります。したがいまして、生産拠点の海外移転や工場の地方分散のなかで、大阪経済の再興のためには、当時計画されていた関西国際空港の立地インパクトを活用して、南大阪に研究開発型の先端技術が集積する産業団地の開発に取り組み、新しい地域産業の形成を目標に事業を行う必要があるとされました。

2.施行地区の概要とその歴史
 本施行地区は、和泉市の中心部から南へ約8kmの内陸部にあって、府道春木岸和田線、二級河川松尾川、国道170号及び岸和田市との境界に囲まれた南北約2km、東西約0.5km、面積約103.5haの地区であり大阪都心部より30km圏、関西国際空港から20km圏に位置してます。
 また、本地区は和泉市西南部の丘陵地にあって、東側を松尾川、西側を岸和田市と市域界である稜線に挟まれた北東に緩く傾斜した地形となっており、標高は北東部で70m、南西部で約160mでありました。
 施行前の地区内には8本の谷筋がほぼ平行に走り、直接松尾川につながり、地区内の人口は4世帯・11人で人口密度は約0.1人/haでありました。
 土地利用状況は、農地は全体の5割を占め、次いで山林、原野等となっており、これらを合わせると9割を占めていた。また、地区全体に渡って小規模なため池が点在していました。
 本地区が存在する久井町・春木町は室町時代の頃、春木庄の一角を占め、現在の松尾川の周辺に発展した集落であった。
 古くから農業が盛んな地域で、江戸時代にはみかん栽培等が発達した地域でもありました。  また寛文9年(江戸初期)に「古事記」、「日本書記」、「万葉集」などの古典を研究することによって、儒教、仏教伝来以前のわが国固有の文化および精神を明らかにしようとする「国学」が起こり、その先駆けをなし、国学の祖と呼ばれた契沖が、5年間久井町を流れる松尾川沿いに庵を設けて過ごしたといわれておりました。

  3.開発の基本方針
大阪府立産業技術総合研究所
(平成8年4月1日 活動開始)
大阪府立産業技術総合研究所
 和泉コスモポリス事業は関西国際空港の近接地域にあって、先端産業をはじめ、研究所等は集積するテクノパ−クを整備し、泉州地域のみならず大阪府、近畿圏における研究開発の拠点形成をめざして開発が進められました。
 また、和泉コスモポリス事業は大阪府新総合計画に位置づけられているとおり、泉州地域は「自然と暮らしと産業が調和した交流と創造の地域づくり」を基本的なテ−マとしており、その中で周辺地域の開発計画との緩和を図りながら中堅・中小企業の産業振興おも考慮した、中核的プロジェクトとしての役割達成とともに、トリヴェ−ル和泉に整備された大阪府立産業技術総合研究所等の連携を図りながら、新しい事業展開が可能な産業団地環境の形成をめざしています。
 21世紀の企業活動は、より環境を重視するように求められており、当和泉コスモポリスにおいても、全体地区の開発についても、また立地企画についてもより周辺環境に配慮した産業団地の形成をめざします。
 また、企業の社会的役割が変化しつつある中で、就業者の職場環境を重視した産業産地の形成をめざします。
 このような大きな3つの開発目標を総合して、「世界をリ−ドする先端技術産業の育成をめざし、大阪府立産業技術総合研究所との連携を図った内陸部の緑豊かで快適な環境の中の産業団地の形成」を開発コンセプトにしています。
 
  4.テクノステ−ジ和泉の現状
 「テクノステ−ジ和泉」は平成10年12月に予定どおり完成し、平成11年5月より土地の利用が可能になる「使用収益」を開始し、平成10年7月より分譲を行っています。
 「テクノステ−ジ和泉」の宅地面積は611,409.61m2で区画数は129区画となっており、平成13年9月に平均28%の分譲価格の引き下げの他、賃貸方式の導入等、思い切った措置を講じた結果、平成14年7月現在の企業誘致状況は契約済及び契約予定を含めて56社で76区画、面積で343,590.53m2で全体の56.5%となっております。また、既に27社が操業を開始し、約700人以上の従業員が働いており、市内からも100人以上の方々が雇用されるなど、雇用面からも和泉市の経済の活性化に貢献できているものと考えております。
 「テクノステ−ジ和泉」には平成13年12月、科学技術振興事業団により建設された「研究成果活用プラザ大阪」が完成し、大学等の研究成果の企業化に期待が寄せられております。
 また、都道府県レベルでは規模、施設内容とも最高と言われる大阪府立産業技術総合研究所が近接するトリヴェ−ル和泉西部地区にあり、あらゆる分野の技術試験や製品の耐久検査等が可能な施設が整っており、研究開発型の企業の支援体制も整っている魅力ある施設であり、「テクノステ−ジ和泉」に進出する企業にとっては大変魅力のある施設と考えております。
 さらに、「研究成果活用プラザ大阪」に隣接して平成14年3月には大阪府の外郭団体である財団法人大阪府産業基盤整備協会により「大阪府いずみテクノサポ−トセンタ−」が完成して、「研究成果活用プラザ大阪」や「大阪府立産業技術総合研究所」との連携により新規産業等の育成を支援する施設として、また進出企業の皆さんの共同利便施設等も整備されています。
 その他にも、「研究成果活用プラザ大阪」の完成に合わせて平成13年10月からバス路線がテクノステ−ジ和泉まで延伸され交通の便が更に良くなるなど、着実に産業団地としての形が整って来ております。
 その他にも、近隣には桃山学院大学、久保惣記念美術館等、産業団地の支援的な施設や文化施設も整っております。
 さらに21世紀を見据えた産業団地として、工業専用地域では本来建築出来ない宿泊機能が整った研修施設の立地も可能な特別用途地域を設定しており研究開発に必要な人材育成も可能となっております。
 また、平成14年4月には、躍動する未来への可能性をひらく街への願いを込めて「テクノステージ和泉」のまち開きの式典を行い、本格的な一歩を踏み出したところです。
 
 
平成14年度完成 活動開始)大阪府いずみテクノサポートセンター まち開き式典で祝辞をのべる太田房江大阪府知事
(平成14年度完成 活動開始)大阪府いずみテクノサポートセンター まち開き式典で祝辞をのべる太田房江大阪府知事


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